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第27章 幸村 順一

「いやもう俺モテる必要なくね？」

「そうなんだけど。幸村くんてやっぱ結婚してもマメだなぁと思って。」

「幸村のこと、まだ未練あんのか…？」

「まさか！もう吹っ切れてるわよ。あっくんのおかげ。」

「……」

「あー、信じてないな？」

千春は苦笑して、これも一緒に食べちゃお、と包みを開けた。
中身は小袋のチョコやクッキー、アメ。
棒付きのキャンディを見つけて思わず手に取った。
懐かし…こんなん買い込んだんかな…それとも子供のオヤツちょろまかしたんだろうか…と思ってよく見たら、コレ…アメじゃなくね？
よくよく見ると、やっぱり。コンドームだ。
透明の袋に入ってるから一瞬アレ？っとは思うけど。
普通の棒付きキャンディならもちろんアメの中まで通ってるハズの棒も袋の圧着部分までしか入ってない。

…ワザワザ、こういうモノをジョークグッズの店かもしくはオトナのオモチャ屋的なトコロに買いに行った、ってこと、だよ、な…
しかも俺にくれるならまだしも千春にやるとか悪趣味にも程があるだろ‼︎

飄々としたアイツの顔を思い出しながら、コレは一回シメるべき案件だ…と溜息をつき、手の中でキャンディを握りつぶした。
あっけなく棒が袋から取れて、個装袋が開く。