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第28章 萩原 義隆 ー 過去編 ー
その話を友達の谷崎にしたら、
「で? キスぐらいしたのかよ、ミスキャンパスと。」
「は? なんでその流れでキス? なるわけないだろ」
「え? 助けてやって送り狼にもならずにタクシー拾ってオシマイ?マジで? お前バカ?」
「送り狼なんてできるわけないだろ。そんなことしたら助けたイミないじゃないか。そんなの助けたことにならないし」
「自己紹介して、会う約束くらいは取り付けたんだろうな?」
「…してない」
「やっぱバカだろ」
「…そうかな」
「そうだよ。そんなチャンス滅多にないよ?チャンスは電車みたいに定刻には来ない。見送ったら次にすりゃいいやってモンじゃない。だから必死で掴まない奴は、どこにも行けない。永遠にな。」
返す言葉もなく、項垂れた。
確かに、ちょっと親切なだけの男なんて彼女には大した記憶にも残らないだろう。景気も良く、大学生も金回りがよくて遊んでるヤツばっかりで。きっとプレゼントも沢山貰ってて。そんな中で、帰る手助けをしてくれた程度の男が記憶に残る訳がない。そう、思った。
「で? キスぐらいしたのかよ、ミスキャンパスと。」
「は? なんでその流れでキス? なるわけないだろ」
「え? 助けてやって送り狼にもならずにタクシー拾ってオシマイ?マジで? お前バカ?」
「送り狼なんてできるわけないだろ。そんなことしたら助けたイミないじゃないか。そんなの助けたことにならないし」
「自己紹介して、会う約束くらいは取り付けたんだろうな?」
「…してない」
「やっぱバカだろ」
「…そうかな」
「そうだよ。そんなチャンス滅多にないよ?チャンスは電車みたいに定刻には来ない。見送ったら次にすりゃいいやってモンじゃない。だから必死で掴まない奴は、どこにも行けない。永遠にな。」
返す言葉もなく、項垂れた。
確かに、ちょっと親切なだけの男なんて彼女には大した記憶にも残らないだろう。景気も良く、大学生も金回りがよくて遊んでるヤツばっかりで。きっとプレゼントも沢山貰ってて。そんな中で、帰る手助けをしてくれた程度の男が記憶に残る訳がない。そう、思った。