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第28章 萩原 義隆 ー 過去編 ー

そうして1年ほど交際をし、翌年。
私は4月からの就職先も決まり、卒論もケリがついて、卒業を待つのみ、となった冬。
彼女は成人式を迎え、豪勢な振袖も披露してくれた。
聞けば亡くなったおじいさんが仕立ててくれた、手描きの加賀友禅だという。豪奢ながら上品さも兼ね備えたそれは、着物のことなんて全くわからない素人目にも、きっと高いのだろうと判るものだった。
そのひと月後、生理が来ないと相談され、彼女の妊娠が発覚する。
身に覚えがないわけじゃない。
寧ろありすぎた。
彼女が強く拒まないのをいいことに、避妊もしたりしなかったり。
子供ができるかもしれない、と解っているのに、その場の空気で流してしまった。
そして、結果が出て、感じたことは。
…やっぱりか、という思いと、やってしまった、という、しても遅い後悔。
私は4月からの就職先も決まり、卒論もケリがついて、卒業を待つのみ、となった冬。
彼女は成人式を迎え、豪勢な振袖も披露してくれた。
聞けば亡くなったおじいさんが仕立ててくれた、手描きの加賀友禅だという。豪奢ながら上品さも兼ね備えたそれは、着物のことなんて全くわからない素人目にも、きっと高いのだろうと判るものだった。
そのひと月後、生理が来ないと相談され、彼女の妊娠が発覚する。
身に覚えがないわけじゃない。
寧ろありすぎた。
彼女が強く拒まないのをいいことに、避妊もしたりしなかったり。
子供ができるかもしれない、と解っているのに、その場の空気で流してしまった。
そして、結果が出て、感じたことは。
…やっぱりか、という思いと、やってしまった、という、しても遅い後悔。

