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第28章 萩原 義隆 ー 過去編 ー
自分の分の食事を、準備されても殆ど箸をつけずに捨てるのも、申し訳ないし、勿体無い。かと言って食べられるかと言われたらそれも厳しい。
桜子に食事は要らないと告げ、食事と風呂と寝る為だけの帰宅から、食事が消えてしまうと、風呂と寝るだけなら会社近くのカプセルホテルでいいんじゃないかと思い至る。
宿泊費は掛かるが、定期代を当てれば少しは節約できるし、何より終電を気にせず仕事ができる。
大きな風呂も気持ち良かったし、コンビニの食事も苦にならなかった。1人になった方が、短時間でもぐっすり眠れた。
週末は基本家に帰ったし、週に一度くらいは洗濯物を置きに帰った。
そんな生活が、どのくらい続いただろう。
秋も深まった頃。
夜8時頃だっただろうか。仕事をしている私に電話が入る。

「萩原課長、お電話です。…警察から…」

「警察⁉︎」

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