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第28章 萩原 義隆 ー 過去編 ー

桜子には、思った通りオトコがいた。
離婚は避けられない。
家庭を顧みなさすぎた私にも一端はあることだ。
話し合った結果、隆行が小学校を卒業するまでは待とう、ということになり。隆行の食事だけは毎日作れと言った。
だが半年ほど経った夏。
桜子は妊娠を告げ、家を出て行った。
もう何年も、桜子とは寝てない。
不倫相手の子供なのは間違いなかった。
だが、今離婚しても妊娠の方が早い。婚姻期間中に出来た子供は法的には私の子供になる。厄介だな…
相手の男は ミナミケンジというらしかった。もっとも名前も職業も、桜子から聞いた話で本人に会って確かめたワケじゃない。
本当に桜子のことを思って、桜子と結婚し、認知してくれる男なら…いや、もしそうだったとしても、認知するにも向こう側で勝手に出来ることじゃない。私は関係ない、とは言えない。裁判沙汰は避けられない。参ったなぁ…裁判なんてコッチの都合に関係なく勝手に呼び出されるんじゃないのか?
何でそんな面倒ごとに巻き込まれなきゃならないんだ…
もう、桜子に対する愛情なんてなかった。
面倒ごとを起こしやがって、という恨みに似た感情しか持てない。
そして、程なく、桜子から電話が入る。
京都の市外局番の固定電話からの着信だったから、実家に帰ったのかもしれない。再婚してないのか。
電話の内容は、流産を伝えるもので。
私は、そう、とだけ言って電話を切った。流産して、例え不倫相手と切れて実家に戻っているのだとしたって、もう私たちは戻れない。桜子からの連絡は、その一度きりだった…
離婚は避けられない。
家庭を顧みなさすぎた私にも一端はあることだ。
話し合った結果、隆行が小学校を卒業するまでは待とう、ということになり。隆行の食事だけは毎日作れと言った。
だが半年ほど経った夏。
桜子は妊娠を告げ、家を出て行った。
もう何年も、桜子とは寝てない。
不倫相手の子供なのは間違いなかった。
だが、今離婚しても妊娠の方が早い。婚姻期間中に出来た子供は法的には私の子供になる。厄介だな…
相手の男は ミナミケンジというらしかった。もっとも名前も職業も、桜子から聞いた話で本人に会って確かめたワケじゃない。
本当に桜子のことを思って、桜子と結婚し、認知してくれる男なら…いや、もしそうだったとしても、認知するにも向こう側で勝手に出来ることじゃない。私は関係ない、とは言えない。裁判沙汰は避けられない。参ったなぁ…裁判なんてコッチの都合に関係なく勝手に呼び出されるんじゃないのか?
何でそんな面倒ごとに巻き込まれなきゃならないんだ…
もう、桜子に対する愛情なんてなかった。
面倒ごとを起こしやがって、という恨みに似た感情しか持てない。
そして、程なく、桜子から電話が入る。
京都の市外局番の固定電話からの着信だったから、実家に帰ったのかもしれない。再婚してないのか。
電話の内容は、流産を伝えるもので。
私は、そう、とだけ言って電話を切った。流産して、例え不倫相手と切れて実家に戻っているのだとしたって、もう私たちは戻れない。桜子からの連絡は、その一度きりだった…

