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第28章 萩原 義隆 ー 過去編 ー
気持ちとは裏腹に、プロのテクニックの前に早々にギブアップしてしまう。

「…あ、あ、あっ、もう!」

急速に高まる射精感に身震いすると、彼女は素早く口を離し、手で扱かれて、果てる。

「ゴックンは私NGなんで。ごめんなさい?」

ニッコリ笑って言われる。疑問形の謝罪ってなんか変だな…なんて妙に冷静に考えながら、もうどうでもよかった。脚や腹に飛び散った体液をティッシュで拭かれる。
時間は60分、と言われていて、まだあと30分以上あった。

「もう一回します?私の身体触って貰ってもイイですし。シャワーは10分ぐらい見とけばいいと思うので、あと20分、時間いっぱい遊んで貰っていいですよ?」

「いぇ…もう結構です…」

「いいんですかー?早く終わっても料金は変わりませんケド…」

「大丈夫ですから…」

シャワーを浴び、逃げるように店から出た。
虚しかった。何がイイのかさっぱり解らん。
イヤ、1人で手でするよりは、刺激はあった。が、ただそれだけで、気持ちが伴わなければタダの処理だ。
買ったことはないがオモチャで遊ぶのと大差ないような気がする…
家に帰り、スーツのままベッドに倒れこむ。
隆行はもう寝ているようだった。

結局、それ以降私が風俗に行くことはなかった。



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