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第3章 玄 徹匠
写真部の部室には、いつも調子っ外れの不協和音が響いていた。
皆で騒音クレーム入れようぜ、なんて笑ってたけど。顧問の先生は、

「毎年新入部員が入った今頃はこんな感じだよ。でも、そのうちコレがキレイなハーモニーになっていく。いいBGMになるんだよ」

と苦笑いしていて。
それは、その通りだった。
俺は何度かこっそり吹奏楽部の部室の窓から中を覗いてみた。
一所懸命練習している芳川がいた。

作業の合間とか、トイレへの行き帰り、廊下からこっそり芳川を見るのが日課みたいになって。誰か特定の男子と仲よさそうとか、そういうのないけど、彼氏とか居んのかなぁ、彼氏はいなくても好きなヤツぐらい居るだろうなぁ、とか、ごく普通の男子高校生の片想い。
告る機会もないまま迎えた、卒業。
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