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第3章 玄 徹匠

高2の秋、体育祭で、芳川の写真を撮った。
今までコツコツ貯めてきた小遣いに、夏休みのバイト代も全部注ぎ込んで買った、念願の一眼レフカメラ。
出場種目もなかった俺は、校舎の窓から、応援合戦で演奏している芳川の写真を撮った。
記念のつもりの隠し撮りだったけど、現像してみたら思ったより上手く撮れてて。
宝物になった。
結果的に、その写真を師匠のアントニオに見せて、弟子に採用して貰ったわけだから、そういう意味でも宝物だ。
ただ、隠し撮りだから、肖像権の問題もあって、世には出せないんだけど。
師匠も、あの写真をすごく気に入ってて。
個展を開くたびに俺の写真も少しだけ飾らせて貰ったりするんだけど、その度にアレは出さないの?と聞かれる。
隠し撮りだ、と白状したら、それはいけないね、と頷き、ま、撮るよ、って言って構えて撮れる表情じゃないか、と笑われた。
今までコツコツ貯めてきた小遣いに、夏休みのバイト代も全部注ぎ込んで買った、念願の一眼レフカメラ。
出場種目もなかった俺は、校舎の窓から、応援合戦で演奏している芳川の写真を撮った。
記念のつもりの隠し撮りだったけど、現像してみたら思ったより上手く撮れてて。
宝物になった。
結果的に、その写真を師匠のアントニオに見せて、弟子に採用して貰ったわけだから、そういう意味でも宝物だ。
ただ、隠し撮りだから、肖像権の問題もあって、世には出せないんだけど。
師匠も、あの写真をすごく気に入ってて。
個展を開くたびに俺の写真も少しだけ飾らせて貰ったりするんだけど、その度にアレは出さないの?と聞かれる。
隠し撮りだ、と白状したら、それはいけないね、と頷き、ま、撮るよ、って言って構えて撮れる表情じゃないか、と笑われた。

