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第32章 玄 徹匠 ートモダチー
ご飯を食べ終わって、少し寛ぐとトールさんが帰る、と言い出す。

「もう帰るの?」

「だって彼女が来たのに長居したらお邪魔でしょ?」

「あ!あの、シュークリームがあるんで、それだけでも…」

「2人で食べな!俺も早く帰らないと、ウチで可愛いヨメと子供が待ってるから♪」

「え?ご結婚されてるんですか?」

「うん。俺イイ夫よ?いいパパだし。」

「…おウチでご飯食べなくていいんですか…?」

「んー。それは平気。基本帰り遅いから偶に早く帰ると驚かれる。」

「…そんな…早く帰れるときくらい帰ってあげないと…あ!じゃあ、シュークリーム、持って帰りませんか?会社で貰った余り物だし、お土産って言えるようなものじゃないんですけど、3個あって…」

「2人は食べないの?」

「あ、私は…会社で1個食べたし…今お腹いっぱいで…てっちゃん食べたい?」

「イヤ別に…食べなきゃならないなら食べるけど、どうしても欲しいってモンでもないかな…」

「じゃ、遠慮なくいただいて帰ろうかな?」

にっこり笑ってくれるから、冷蔵庫から箱を出して渡した。
6個入ってた箱に3個だけ入ってるから、ガサガサだけど…

「すみません、こんなんで…」

買ってもいない私が言うなって言われるかもしれないけど、一応謙遜する。

「うぅん。シュークリーム、好きだし。でもこんな店開いてる時間に帰ることないからきっと喜ぶと思う。ありがとう。」

爽やかに笑って、トールさんは帰っていった。
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