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第33章 市八
人は、己と違うものを嫌い、知らぬものを怖がる。
それは、己を守る本能なのだろう。

本当のところ、サチは火傷をそれほど気にしていない。それは慣れと、父や市八が居るからだ、といつも言っていた。
昔は知らぬ顔をしておけと笑っていたくらいだ。
実際家の中では平然としている。
だが一歩家を出ると肩身を縮めて過ごす。
それだけで、近隣の民の接し方は全然違った。
それはまるで、己のせいでない火傷なのに、こんな顔で御免なさいと頭を下げて居るようにも見え、子供の頃は腹が立ったものだった。
それが、母なりの処世術だと気づいたのは大人になってからだ。

人は、己と違うものを嫌うから。

きっと、あんな火傷痕が残ったら、普通の人なら平然とはしていられない。それを平然としているなど…と気味悪がられるから、気にしている振りをしていたのだ。

母のことを、恥とは思わない。それは妻のサヨも同じだった。
サヨの母は、恐れられはせぬまでも、人となりを知らぬ者からは醜いと目を逸らされたり、憐れまれたりした。
サヨに向かって母ちゃんに似なくてよかった、などと言う客も多く、父にはよく喋る銭だと思っとけと笑われた、と言っていた。
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