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第33章 市八
人と違うのはふた親ともだ。
サヨの父はめくらだし、市八の父、八尋にも、どこか人と違うところがある。どことなし、女のようだ、とでも言おうか。
理由は知らぬが、身体も細いし声も高い。顔つきも女のようで、子供の頃、男妾だと人から言われたこともある。
今ではそれが何を意味するのかは知っている。だが、市八が物心ついた時には、そんな暮らしではなかったように思う。
ならば過去は、詮索しない方がいい。きっと父にとって、楽しいことではなかっただろうと思うから。
ただ一つ、気になることは…
己は父の胤なのだろうか、ということだった。
親として、市八のことを慈しんで育ててくれた。
だが、容姿はひとつも似たところがない。
それは、己に子が生まれてより感じるようになった。
信太郎の寝顔を見ながら、

「小ちゃい時の市っちゃんにそっくりになってきたよねぇ」

とサヨも言う。
子は、親に似るものだ。血を引いているのだから当然といえば当然なのだろう。それなのにサヨの父である鷺は、市八の顔に触れて、父ちゃんにそっくりだ、と言った。
鷺の耳と、指先の感覚は常人のそれとは違う。
些細な違いも判るし記憶もいい。その鷺が、八尋の顔と市八の顔を似ていると判じるものだろうか。
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