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第33章 市八
「お前たち、夕餉はどうする?何か食べたいものがあるなら買いに行くし、皆んなでるいさんの店に行ってもいいけどねぇ。」

「あ、夜はおっかさんのトコに行こうと思って…」

「…俺、久し振りに母ちゃんの飯が食いてぇな…サヨ。お前信ときぬ連れておっかさんの店行けよ。んでそのまま泊まってこい。俺はこっちにいるよ。明日にはおじさんたちにも俺も顔見せるしよ。どっちの家もまとまって泊まるには手狭だろ。」

「…そうだけど…」

サヨは市八の家ならウチほど狭くはないし、充分寝られるんじゃ…と思いながら、久々に実家で羽を伸ばしたい私に気を遣ってくれてるのかもしれない、と思い直し、うん、と頷いた。
お互いの家が近いからそんな融通も利くというものなのだし。

「信は?母ちゃんと父ちゃんとどっちと寝る?」

「母ちゃん!」

「まだまだ甘えたい盛りだもの。私がいると子供たちが可哀想だから、るいさんと鷺の処で存分に可愛がってもらいなさい。」

サチがにこりと笑う。子供がこの火傷を見慣れるにはもっと時間が必要だと、本人がきちんとわかっている。

「じゃあ…」

サヨは申し訳なさそうに頷いた。

「今時分は店の支度で忙しいと思うから子連れで行ってもね…お父ちゃんの萬屋に行こうかしら。あすこなら広いから子供達を遊ばせられるし。お父ちゃんに二人を見てもらって私はおっかさんの店手伝ってもいいしね。」

「そうしたら?まぁたまの休みに働かなくてもいいかもしれないけど、るいさんは喜ぶだろうし。萬屋なら子守相手も誰かしらいるだろうし。夜に店に行く時には市八が一緒に送っていけばいいし。」

「じゃあ、そうするね。」

サヨは信ときぬを連れて家を出た。
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