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第33章 市八
「芝居のような義賊じゃない。陽炎は紛うことなき盗賊だ。私達は日の当たる場所を歩ける身分じゃあない。でも…闇雲に人の稼ぎを掠めていたわけでもない。私達は皆、世に弾かれた人間だ…それを救ってくれたのが、市九郎という人。彼が居たから今の私達がある。そして、彼こそがお前の本当の父親だよ…」

「俺の父親が…盗賊の頭…」

「子は、親を選べない。お前に罪はない。お前はこれまで通り、お店の番頭として店を、一家の長として家族を守らなきゃいけないよ。私達は、盗賊の子としてお前を育てたつもりもないしね。お前が生まれる前にとっくに廃業してる。」

「なんで…廃業したんだ?」

「頭領…市九郎が、死んだからだよ。」

「…死んだ…?」

「サチはね…通り名を赤猫と言った。子供の頃に火事で家族を亡くし、顔に火傷を負い、一人で生きていた。守ってくれる大人もおらず、生きる術を教えてくれる者もなく…火傷のせいで春をひさぐこともなく、野盗の真似事くらいしか出来なかったんだ…火傷のせいで赤猫なんて通り名がついて…けど、勿論付け火なんてしたことないんだよ。」

「………」

「鷺はめくらだし、兵衛は足が悪かったろう。二人とも頭が切れるし、人より優れた所もあるけど、一人前の扱いは受けられない。」

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