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第33章 市八
「火傷のせいで化物と呼ばれたサチを、頭領だけが女として扱ってくれた、と言っていた。あの人は、誰に対してもそうだ。世の理不尽を許さない。自分のせいでない理由で貶められる人を放って置けない性分の人だ。そんなところは、お前もあるんじゃないか?」

「………」

「陽炎は、盗賊だ。盗みに入った屋敷が、私達に直接害をなしていた人たちではないから、意趣返しというわけではない。やって来たことは紛うことなき盗みだ。罪だ。それでお縄になるというなら、致し方ないことだろうね。ただ、今更奉行所に申し出たところで、三十年も前の盗みをどうやって調べるかという話になる。もう無い屋敷も多いだろうしね。」

「じゃ、父ちゃんが働いてなかったのって…」

「稼ぎを貯めてたからね。それを少しずつ切り崩して。流石にもう無いけどね。」

「今は…?」

「私もサチも、繕い物は上手いんだよ。後は鷺の萬屋を手伝ったり、何やかや手仕事には事欠かないさ。」

「じゃあ…もう、盗みはしてない、んだよな?」

「頭領が亡くなった時に廃業したよ。元々、一人じゃ出来ない仕事だったしね。」

「….その、市九郎って人は…何で死んだんだ…?」

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