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第35章 新田 桜子
食事を終えた子供達がそれぞれの部屋に戻って行き、ダイニングには私と誠治さんだけが残る。

食後のお茶を飲みながら、誠治さんがため息をついた。

「全く…いきなりあんな事言い出すとは思わなかったよ。」

「うふふ、急だったから驚いたわね。」

「誠大の対抗心と君の実家に感謝だな…2人の学費の事は考えたことあったけど、正直成人式のことなんて考えてもなかったよ。」

「まだ先だものね。でもきっと、あっという間よ?」

「そうだな。俺たちが結婚した時はあの子達まだ保育園に行ってたんだもんな。」

私はこくりと頷いた。

「ホントに、子供の成長って早いわね。あ、そうだ、お母さんに電話しとかなきゃ。」

「着物のこと?」

「うん。多分取ってくれてる筈だけど、仕舞い込んでるかもしれないから、すぐ出せるかどうかだけでも聞いとかないとね。お正月行った時に見せて欲しいってお願いすればいいんじゃない?」
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