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第36章 間宮 涼香

智之に家を継がせるとしたら、いずれ結婚させて子供をと言われるだろう。
結婚相手の立場だったら、知らずに結婚した夫が実はゲイでした、なんてシャレにもならない。私だったら絶対ヤダ。
詐欺で訴えられても仕方ない案件じゃないかしら。

父さんには悪いけど、智之には自立を促して家から出した方がいいかも。

東京とか、都会に行けば、少なくともこの田舎よりは居場所が見つかるかもしれない。私はこの町が好きだし、都会に出たいとか、何処か別のとこに行きたいとは思ったことないけど、狭い田舎町は周囲の干渉も強いし、話題に乏しい分人の噂はあっという間に広がる。口さがない田舎の人たちの中で、秘密を守って行くのは並大抵のことじゃない。

ただ、そうなると、誰が家を継ぐのか、てことになる。

…私が龍沢さんと結婚できたら。

てかそれしか無いような気もする。

うん、やっぱり。龍沢さんには私と結婚してもらうしかない。

そうと決まれば、やっぱ行動あるのみ！でしょ。