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第36章 間宮 涼香
「涼香、出掛けるの?」
夕方、仕事を早めに切り上げてシャワーを浴び、出掛ける支度をしていたら、お母さんに呼び止められた。
「うん。龍沢さんと約束してるの。」
「あら、なら良かったわ。誕生日のケーキ用意出来てないのよって言おうと思ってたの。」
「もう子供じゃないんだからケーキなんか要らないけど?」
「そう言わないで。お母さんが甘いものが食べたいの。家族の誕生日っていい口実なんだから。お父さんなんかケーキ出さないと子供の誕生日も思い出さないんだから。」
「それもそうね。なら来年はお願いするわ。」
鼻歌まじりで支度をし、私は家を出た。
龍沢さんはウチから自分のアパートに帰るんだから、ウチから一緒に出ても良かったんだけど、私と一緒に出掛けるトコロをお父さんや他の職人さん達に見られるのを嫌がった。
「目立つから申し訳ないけど俺のアパートの前で待っててくれないかな?仕事が終わったらすぐ行くから!」
と手を合わせられたら嫌とも言えず、承諾した。こっちはそれが目的なんだけど。外堀から埋める作戦は失敗か…やっぱりガード固いな…
ま、お母さんには龍沢さんの名前を出したから、そこからお父さんには伝わるだろう。保険かけといて正解。
夕方、仕事を早めに切り上げてシャワーを浴び、出掛ける支度をしていたら、お母さんに呼び止められた。
「うん。龍沢さんと約束してるの。」
「あら、なら良かったわ。誕生日のケーキ用意出来てないのよって言おうと思ってたの。」
「もう子供じゃないんだからケーキなんか要らないけど?」
「そう言わないで。お母さんが甘いものが食べたいの。家族の誕生日っていい口実なんだから。お父さんなんかケーキ出さないと子供の誕生日も思い出さないんだから。」
「それもそうね。なら来年はお願いするわ。」
鼻歌まじりで支度をし、私は家を出た。
龍沢さんはウチから自分のアパートに帰るんだから、ウチから一緒に出ても良かったんだけど、私と一緒に出掛けるトコロをお父さんや他の職人さん達に見られるのを嫌がった。
「目立つから申し訳ないけど俺のアパートの前で待っててくれないかな?仕事が終わったらすぐ行くから!」
と手を合わせられたら嫌とも言えず、承諾した。こっちはそれが目的なんだけど。外堀から埋める作戦は失敗か…やっぱりガード固いな…
ま、お母さんには龍沢さんの名前を出したから、そこからお父さんには伝わるだろう。保険かけといて正解。