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第36章 間宮 涼香
龍沢さんの手は、あまり乾燥しないこの時期でも乾燥してガサガサ。よく、麹を扱う蔵人の手はキレイだと思われがちだけど、酒造りは麹より水を触る時間の方がずっと長い。
冬には赤切れどころじゃないくらいの手荒れになる。
それでもハンドクリームはお米やお酒についてしまうから塗らない。お父さんも、お爺ちゃんもこんな手をしてる。私は、そんな手を見て育った。
彼氏が出来た時、水仕事をしない男性の手は、骨ばってゴツゴツはしてるけど、滑らかでキレイなんだと初めて知った。
だけど、私はこの手が好き。
働く男の手。
私は思わず、その手に自分の手を重ねた。
「あ!ごめん、勝手に触って…自分でつけた方がよかったね」
ううん、と私はかぶりを振る。
冬には赤切れどころじゃないくらいの手荒れになる。
それでもハンドクリームはお米やお酒についてしまうから塗らない。お父さんも、お爺ちゃんもこんな手をしてる。私は、そんな手を見て育った。
彼氏が出来た時、水仕事をしない男性の手は、骨ばってゴツゴツはしてるけど、滑らかでキレイなんだと初めて知った。
だけど、私はこの手が好き。
働く男の手。
私は思わず、その手に自分の手を重ねた。
「あ!ごめん、勝手に触って…自分でつけた方がよかったね」
ううん、と私はかぶりを振る。