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第36章 間宮 涼香
「朝ごはん、ちょうど出来たところだから、座卓出して。」

布団を敷く為に、立て掛けて壁際に寄せてあった座卓を戻し、布団は軽く畳んで押入れに押し込む。

私は炊飯器を開けてご飯をよそい、お味噌汁を温めてお椀に入れた。
龍沢さんの家にはお茶碗もお椀もひとつずつしかなかったから、お皿やマグカップも使って自分の分も適当によそう。

「…なんか…目が覚めたら朝飯出来てるとか、めっちゃくちゃ幸せなんだけど…」

「今までの彼女はしてくれなかったの?」

「この部屋に泊めたの涼香ちゃんが初めてだよ。だいたい女の子の部屋かホテルしか行かなかったから。」

「ホテルは兎も角彼女の部屋なら朝ごはんくらい出してくれるでしょ?」

「パン食ってるコが多くてね。有り難く頂くけどさ。やっぱ朝は米食わないと食った気がしなくて。」

「ご飯に味噌汁、これぞ日本の食卓、よね。」

「それ‼︎」

龍沢さんがビシッと指を指した。

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