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第37章 幕間…SS集… ⑥
市八 ー傷ー



仕事上がり、いつものように湯屋で汗を流す。
湯屋は、いつも混んでいる。湯船は湯の熱を逃がさぬように壁がある為、薄暗いが、洗い場は広く明るい。じろじろ見ずとも側の人間の身体は嫌でも目に入った。

隣で身体を洗う男の膝に、傷があった。
膝から脹脛にかけて、切り裂いたような鉤裂きの傷。
塞がった跡が、ぽっこりと皮が盛り上がって、目立っていた。

思わず、自身の右頬に手をやる。

当たり前だが、傷などない。
手触りはすべすべとして、下から上に撫で上げると髭の剃り跡が微かにわかるくらいなものだ。

だが、己の父であるらしい、市九郎にはきっと傷があったのだ、と思った。

昔、サヨの父の鷺に顔を触らせた時。
父ちゃんにそっくりだ、と言いながら、鷺は執拗に右頬をさわった。右目の下から顎にかけて、確かめるように何度も何度も…
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