この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
some more storys
第38章 桜
その昔…まだ桜が突き出した(遊女として客を取り出した)ばかりの頃。

桜は独り暗い布団部屋にいた。
そこで見世の者らに折檻を受けたのだ。
見世の者らは折檻を終えると部屋から出て行った。
戸が閉まってしまえば灯りひとつない暗い部屋。殴られた傷がうずき、口の中に血の味がした。

「…大丈夫か?」

「ひっ!」

暗闇の中、いきなり男の声がして、桜は息を呑んだ。
桜の傷を案ずるような声は、聞き覚えのない男の声だった。

「誰じゃ!おまはん、見世のモンじゃなかろ!」

「…あぁ…うん…まぁ…」

「何でこねぇなとこに居る⁉︎ 」

「…やぁ…何つーか…ま、野暮用でな…」

「はぁん、さては敵娼(あいかた)と喧嘩でもして逃げてきんじゃな?」

「ま、そんなトコだ。」

ヘヘッと笑った男は桜の側に腰を落ち着けた。

「お前は何やらかして折檻なんかされてたんだ?」

「いけ好かん客人の座敷に上がるのが嫌じゃと駄々をこねたら、お職でもないのに思いあがるなと言われんした」

「成る程なぁ…それで折檻か…ま、女郎は客を選べねぇっていうからなぁ…」

「水桶を跨ぐかどっちか選べと言われんして…」

「水桶?なんだそりゃ…」

「…衣の裾をたくして、水を張った桶を跨がせられんす…したら股が水に映るじゃろ」

「…まぁ、なぁ…で?それか折檻か選べと言われて折檻されたのか。」

「だって!見世の若い衆がニヤニヤしながら見とるのに…嫌でありんす。」

/728ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ