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第38章 桜
作法に則り、座敷に案内し、床入りした。
愛おしげに口を吸いあい、身体を重ねる。
桜は、初めて、演技ではなく気を遣った。

気を遣って疲れてしまい、暖かい腕の中で桜は眠ってしまう。
明け方目覚めた時、目の前に市九郎の優しい顔があった。

「起きたか…」

優しく桜の髪を梳る大きな手。
桜はとろん、と微睡みかけたが、ふと我に帰り、客人に寝顔を晒したことに蒼ざめた。

「…ごめんなんし…申し訳もござんせん…とんだ粗相を…」

飛び退るように身を起こし、襦袢の併せを掻き抱いて頭を下げた。

「ん?粗相?何だ?寝小便でも垂れたのか?別に濡れてねぇぞ?」

布団を撫でながら怪訝な顔をする市九郎に、またぷっと噴き出してしまう。

「寝小便なぞ!童女じゃござんせん!お客人に寝顔を晒すのは立派な粗相でありんす」

「そうなのか?誰が決めた?」

「…それは知りんせんが…そのように教わりんした…」

「ふぅん。そんなで怒る客ってのはどんだけ狭量なんだかな。別に良いじゃねぇか。寝なきゃ身体が保たねぇだろ。俺は寝てんぞ。」

「お客人はお休みになって構いんせん。けんど女郎は…」

「客が寝てる間に寝たって別に誰も見てねぇだろ。客が先に起きたら気まずいのか?」

答え兼ねてコクリと頷く桜を市九郎が抱き寄せる。

「…俺は、オンナの寝顔も好きだぜ。無防備で…可愛い。」

そんなことを言われたのは初めてだった。
カァッと頬を染めた桜に、市九郎はニヤリと口角を吊り上げる。

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