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第4章 高野 皐月
「私は、お母ちゃんの子供と違うんやろ?」
「……何で、そんなこと思うん?」
「大阪からここに来る時、お父ちゃんに聞いたん。なんで、私は大阪の病院で生まれたん?なんでうちの近くやないん?って。そしたら、昔は皆大阪に住んどったんや、空襲で病院も家も焼けてしもうたから、お父ちゃんの生まれた家に帰ってきたんや、って言うてん…」
お母ちゃんは私の潜った布団を優しく撫でながら。
「…そう。それで?」
「学校で、貰われ子やて言われて、違う、うちは皆大阪に住んどったんや、て言うたら、郁男兄ちゃんも、敬三兄ちゃんも、ずっとここに居った、大阪から来たんと違う、て言われたん。ほんで、大人の人らが、お父ちゃんが出稼ぎに行っとった時の子で、腹違いや、って言うてた。」
お母ちゃんはびっくりしたみたいに、目を開いたけど。すぐにふふ、と笑うた。
「…それはない。お父ちゃんが出稼ぎに行っとったのは、郁男兄ちゃんが生まれた頃。皐月が生まれる何年も前の話。」
「…でも、大阪には住んでなかったん?」
「……何で、そんなこと思うん?」
「大阪からここに来る時、お父ちゃんに聞いたん。なんで、私は大阪の病院で生まれたん?なんでうちの近くやないん?って。そしたら、昔は皆大阪に住んどったんや、空襲で病院も家も焼けてしもうたから、お父ちゃんの生まれた家に帰ってきたんや、って言うてん…」
お母ちゃんは私の潜った布団を優しく撫でながら。
「…そう。それで?」
「学校で、貰われ子やて言われて、違う、うちは皆大阪に住んどったんや、て言うたら、郁男兄ちゃんも、敬三兄ちゃんも、ずっとここに居った、大阪から来たんと違う、て言われたん。ほんで、大人の人らが、お父ちゃんが出稼ぎに行っとった時の子で、腹違いや、って言うてた。」
お母ちゃんはびっくりしたみたいに、目を開いたけど。すぐにふふ、と笑うた。
「…それはない。お父ちゃんが出稼ぎに行っとったのは、郁男兄ちゃんが生まれた頃。皐月が生まれる何年も前の話。」
「…でも、大阪には住んでなかったん?」