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第39章 新田 誠治の憂鬱
「娘さん、お幾つでしたっけ…」

「中3」

「…思春期ですねぇ…」

「そ。新入社員より難しいわ。家族だからかなぁ…」

咀嚼したピーナッツをビールで流し込む。
宮本さんはお湯割りを呑みながら何か考えていたが、少しして口を開いた。

「ウチは、まだ子供小さいんで、子供の反抗なんて幼児期のイヤイヤ期くらいしか実体験はないんですけど…」

「宮本さんとこは?いくつ?」

「上が小1の男の子で、下は娘で2歳です」

「あー、可愛いさかりだなぁ…」

と言いながら、その頃の誠大や満希のことはあんまり記憶にない。響子の闘病で、子供たちは殆どおかんに預けてたから。
そう。どこのウチもそうだと思うけど。子育てって結構大変で。皆色んな事情を抱えながら子供には不自由な思いをさせまいと必死になってるんだと思う、のに。
親の心子知らずってこいういことか、ていう報われない感がすごくて…
別に毎日感謝して欲しい訳じゃない。そんな他人行儀でなくていい。
ただ、病原菌扱いは、つらいんだ…

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