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第40章 芳川 翠ー挨拶ー
「俺が家出てしもうたから…お母ん…祖母さんは永ちゃんを是非とも跡継ぎに、て小さい頃から英才教育というか…アレは一種の洗脳やよね。まぁ、孝徳さんは、自分が外から来た身で、けど父親として子供を守る気持ちも強かったから、永ちゃんにも何遍も跡継ぐだけが人生やない、って言うとったみたいやけど。永ちゃんは、よくも悪くも優等生気質やったから。見事に祖母さん孝行果たしたよね。いや、立派な次期住職やで。」
「…もう直ぐ、駅着きますよ…」
「うん。ありがとうな。しょうもない話してごめん。けど、別に今、俺は自分の人生後悔してないし、徹ちゃんの、これからの人生も応援してる。カメラマン、やったよな。絵描きも似たようなもんや。ただ、表現するのに、筆を使うかカメラを使うか、の違いやろ。俺らはきっと似たモン同士や。結婚おめでとうさん!」
駅のロータリーの、送迎車ゾーンに車を停めたてっちゃんに、軽く手を振り、おじさんは降りていった。
おじさんが駅の階段を登って行く姿を見送り、てっちゃんはまた車を発進させる。
「…もう直ぐ、駅着きますよ…」
「うん。ありがとうな。しょうもない話してごめん。けど、別に今、俺は自分の人生後悔してないし、徹ちゃんの、これからの人生も応援してる。カメラマン、やったよな。絵描きも似たようなもんや。ただ、表現するのに、筆を使うかカメラを使うか、の違いやろ。俺らはきっと似たモン同士や。結婚おめでとうさん!」
駅のロータリーの、送迎車ゾーンに車を停めたてっちゃんに、軽く手を振り、おじさんは降りていった。
おじさんが駅の階段を登って行く姿を見送り、てっちゃんはまた車を発進させる。