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第5章 井上 翔太
そうこうしてるうちに2人は結婚し、2人の関係を知りながら黙ってる、ていう肩の荷は降りたけど、やっぱ辻本さんの幸せな顔見てると、何で俺じゃないんだろう、とか、惨めったらしく思ってしまう自分がいて。
辻本さんは元から可愛いのに、どんどんキラキラしていって、そうしたのは北川さんなんだな、って思うと、悔しい気持ちが捨てきれない。
そんな自分が嫌だった。
辻本さんが年末から産休に入る予定で、ほぼ一年は顔を見ずに良くなったワケだけど、課長は辻本さんを離さないだろうから、一年経ったら確実に帰ってくる。辻本さんが今まで通りの業務がこなせないとなれば、何か他の方法を考えてでも戻したいだろう。
それを思えば、この機会に手近なトコに逃げてしまいたい、と思った。
課長に異動願を出した時、課長は、部長から、本社から1人回すように、適当なヤツを見繕っとけ、と言われてたみたいで。
まぁ、大阪から神戸に転勤くらいなら通勤エリアを大きく離れるワケでもないし、大したことじゃあない。ただ、引継ぎって結構面倒だから、今まで自分が築いてきたものをヒトに渡して新しいトコに行きたがるヤツはあんまりいない。だから、イイのか?って感じで、結構すんなり俺の異動は決まった。
辻本さんは元から可愛いのに、どんどんキラキラしていって、そうしたのは北川さんなんだな、って思うと、悔しい気持ちが捨てきれない。
そんな自分が嫌だった。
辻本さんが年末から産休に入る予定で、ほぼ一年は顔を見ずに良くなったワケだけど、課長は辻本さんを離さないだろうから、一年経ったら確実に帰ってくる。辻本さんが今まで通りの業務がこなせないとなれば、何か他の方法を考えてでも戻したいだろう。
それを思えば、この機会に手近なトコに逃げてしまいたい、と思った。
課長に異動願を出した時、課長は、部長から、本社から1人回すように、適当なヤツを見繕っとけ、と言われてたみたいで。
まぁ、大阪から神戸に転勤くらいなら通勤エリアを大きく離れるワケでもないし、大したことじゃあない。ただ、引継ぎって結構面倒だから、今まで自分が築いてきたものをヒトに渡して新しいトコに行きたがるヤツはあんまりいない。だから、イイのか?って感じで、結構すんなり俺の異動は決まった。