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第5章 井上 翔太

２ヶ月はあっという間に過ぎた。
なんだかんだ仕事が忙しくて、感傷に浸る暇もなかったのは正直、かなりありがたかった。

暇になると、考えても仕方ないことばっかり考えてしまうから。

小鳥遊さんとの同行期間は終了していたけど、年明けに得意先に向けたイベントを企画することになって、何かと一緒に動いてた。
彼女のキャラクターにも随分救われた。

我ながらしつこいって思うけど。まだ辻本さんのことを引きずってて、当分次の恋ってつもりもなかったけど。小鳥遊さんみたいなタイプの彼女がいたら楽しそうだな、と思ったりもした。
ま、年上の彼氏がいるって聞いたし、俺なんてお呼びじゃないんだろうけど。

気づけば明日からクリスマス含む3連休。

週末である木曜日を一緒に過ごす相手もいないし、友達もいない。

毎年仕事じゃなければ1人で過ごして来たけど。神戸は大阪の会社の周りよりもイルミネーションが華やかで。覚悟はしてたけど、周囲の浮かれたムードにはどうしたって不当な寂しさを突きつけられる。この風習、どうにかならんかね。

ため息をつきつつ、仕事のふりして会社に残ってみたものの、さすがに限界がある。

みんな早めに仕事を切り上げているから、オフィスに残っている人もいない。
仕方ない、帰るか・・・

あーぁ、彼女欲しい…なんて考えながら、帰りかけた時。