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第5章 井上 翔太
事務所を出てすぐの、パーテーションで仕切られた商談コーナーの一角から、
「…うっ…っくっ…ひくっ…」
と誰かがすすり泣く声が聞こえた。
心臓がバクンっと跳ね上がる。
ちょっと待って!!
人気のない真っ暗な会社で泣き声とか、超怖いんですけど!!!
俺はその場で固まったまま考えた。
--------このまま、何も聞かなかったふりをして帰っても、俺には何の罪もない。
時計を確認する。
時刻は午後8時20分。
9時を過ぎれば警備員の巡回もあるし、それまでに誰か通るかもしれない。
俺には関係ない。
そう思って通り過ぎようとしたけど。。。
やっぱり声の主が誰なのかは気になる。
声の感じからして、女性なのは間違いない。誰だろう…神戸の女性社員の顔を思い浮かべながら、知ってる人なんだから、大丈夫、と自分に言い聞かせ、恐る恐る近づいた。
パーテーションの内側を覗いて、そのまま心臓が口から飛び出るんじゃないかと思うぐらいびっくりした。
陰で泣いていたのは--------
小鳥遊さんだった。
「…うっ…っくっ…ひくっ…」
と誰かがすすり泣く声が聞こえた。
心臓がバクンっと跳ね上がる。
ちょっと待って!!
人気のない真っ暗な会社で泣き声とか、超怖いんですけど!!!
俺はその場で固まったまま考えた。
--------このまま、何も聞かなかったふりをして帰っても、俺には何の罪もない。
時計を確認する。
時刻は午後8時20分。
9時を過ぎれば警備員の巡回もあるし、それまでに誰か通るかもしれない。
俺には関係ない。
そう思って通り過ぎようとしたけど。。。
やっぱり声の主が誰なのかは気になる。
声の感じからして、女性なのは間違いない。誰だろう…神戸の女性社員の顔を思い浮かべながら、知ってる人なんだから、大丈夫、と自分に言い聞かせ、恐る恐る近づいた。
パーテーションの内側を覗いて、そのまま心臓が口から飛び出るんじゃないかと思うぐらいびっくりした。
陰で泣いていたのは--------
小鳥遊さんだった。