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第2章 欲

なんて意地悪な質問なんだろうと、涙目になりながら見上げると彼もまた余裕の無い表情で喉仏をゴクリと鳴らした。


「………」


「……」


精一杯の勇気振り絞って頷きを見せると、彼はゆっくり私を抱き締めて「ゴムが無い」と囁いた。


あ、なるほど……。




「……」



こればっかりは準備するのを忘れていた。

と言うか、こんな流れになるなんて想像もしてなかったから準備のしようがない。



前の男と別れた時に残りを置いていかれて速攻で捨てたのを何となく思い出した。