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愛と欲と嘘
第1章 愛
モヤモヤと心の中が濁っていく。
「ごめん、お待たせ」
「お。じゃあ切るぞ。お休み」
何も知らないフリをして隣に座ると彼はスマホを離して私の方を見て来る。
「大丈夫か?」と飲み過ぎを心配してくれてるんだけど、今の私は相当不機嫌で返す言葉も短い。
「うん」
「どした。気分悪いのか?」
「悪くないわよ。鏡に映った自分がブスで嫌気がさしただけよ」
何杯目になるか分からないビールを仰ぐと隣の彼は声を出して笑った。
自虐なんてみっともないからしないのに、やっぱりもう酔って来てるみたい。