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マッサージで陥落したツンデレ美母
第1章 渋滞
理沙は学生時代にはアルバイトでモデルもやったことがある。容姿には自身があるので、そう言われると嬉しくなくはない。

しかし、まわりから母親は綺麗だと、美人だと言われてきた明彦は微妙である。

もちろん、母がブスよりはいい。自慢したい気持ちはなくはない。

しかし、物事には限度がある。

少し着るものでもださくすればいいのに、そもそもがブティックを経営してるうえに、自信があるものだからおしゃれのセンスもいい。

授業参観日などでは、バッチリ化粧も決めてくるから、余計に目立つ。

明彦も母親譲りのイケメンだ。

成績もいいし、スポーツだってそこそこはできる。

中高をとおして、明彦に好意を寄せる女子は何人もいた。しかし彼女たちは

「えっ、明彦君? 私はパスだよ。あんな美人のお母さんと比べられたら自信なくしちゃうよ」

というので、ほとんどが遠慮した。

何人かは明彦といい仲になったが、明彦の家に遊びに行くのが気が重くなり、去って行った。

きわめつけは夫、つまり明彦の父の浮気が発覚して、離婚になった時の理沙の言葉だ。今でも覚えている。

「あんな、ブスのどこがいいんだか」

こんな言葉を聞くと、明彦自身にもますますプレッシャーがかかる。

よほどの美女でないと、家につれてくなんて出来るわけがない。

そもそも客観的に見て、父の浮気相手はそんなにブスというわけでもなかった。


美人にもいろいろある。

はっきり言って、性格がきつく、一歩まちがうと近づきがたい印象のある理沙とはちがって、父の浮気相手は癒やし系のタイプだった。

これでブスと言われたんじゃ、相手も立つ瀬がなかろうと明彦は密かに父の浮気相手に同情したものだ。
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