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マッサージで陥落したツンデレ美母
第1章 渋滞
東京の大学に進学し、ひとり暮らしをはじめた明彦は遊び相手には不自由しなかった。

しかし、割り切ったセックス・フレンドばかりで、特定の彼女がいるわけではなかった。

やはり理沙が満足するレベルの女性なんてそう身近にはいないし、いたところで理沙の審美眼にかなうかどうかわからない。

(そりゃまあ、母さんは美人だし、おばさんぽいよりはいいけどさ、なんかだかなあ。俺って結婚できるんだろか)

明彦はふと将来が心配になった。ただでさえ、嫁と姑の関係はむつかしい。自分が選んだ伴侶をたとえ口に出さなくても理沙が「ブス」と思ったらうまくいくはずはない。

同時に心の片隅を

(いっそのこと母さんと……ありかな)

いう思いがふとよぎった。

母を美人とは言われなれてきたが、さすがに口に出してカップル扱いされたのは初めてだった。それは理沙にしても同じだ。

理沙は同世代よりも年下から声をかけられることが多い。学生から声をかけられることもあったが、そのつど明彦のことが心をよぎった。
身体の疼きがないわけではない。しかしそんな街で出会った男と寝ることは理沙のプライドが許さない。
しかもすべて明彦と比べたらイケメン度が落ちる奴ばかりだ。

(そうかあたし明彦の彼女でじゅうぶんに通用するのね。いっそのこと……ありかな)

ーー急ブレーキで停車した車中でしばらく沈黙が続いた。そのときうしろからクラクションを鳴らす音が聞えた。

理沙はあわててアクセルを踏んだので、クルマは急発進した。

「ごめん、ごめん。母さん、落ち着いて、ゆっくり運転して。どこでもいいから休まないと事故でも起こしたらたいへんだから」

と明彦は理沙をなだめた。

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