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第3章 step３初めの一歩

ﾋﾞｸｯ…

ワタシの体はこわばる。

ｶﾞﾁｬﾘ…

手錠の外れた音。

許してもらえるの？


安堵した途端、

ｶﾞﾁｬﾘ…

後ろ手に留められた手錠が、前にはめ直されただけ、しかも手錠からロープが繋がれていて、端は男が握っていた。

｢持ち物検査終わったから、次は、身体検査ね。｣

男の声は楽しんでいるように聞こえた。

｢立って。｣

男の強い口調。

同時に背中を押され、ロープで引かれ立たされた。

｢タイ外して。｣

男はセーラーのタイを指差した。

｢…な、んで…｣

ワタシは疑問をそのまま口にした。

｢泥棒が他に隠してないか確認するんだよ。｣

男がまた長机を叩く。

ふざけたような話し方と怖い口調。ワタシは参ってきた。

でも、たぶんこれで終わり。何となくそう思ったワタシはタイの結び目を手錠で不自由な手でほどき…

ｼｭﾙｯ…

絹の滑る音と共にタイを外した。


男が来る、ワタシはロープがﾋﾟﾝｯと張るほど下がって逃げた。

しかし男は、そのロープを手繰り寄せてワタシのすぐ前に来る。

さらに男はワタシの胸を指差し、

｢タイには用はないんだよね。此処。｣