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第24章 step24十八段目…春

｢お肉や野菜の旨味も出ていて美味しいですね。｣

｢そういえば、洞窟風呂ってあるんでしょ？｣

｢はい。日替りで今日は男湯がそうです。｣

｢ねぇ、客って俺達だけなんでしょ？｣

｢左様ですが…｣

｢せっかくだから一緒に入って探検したいんだけど。｣

｢一応はお守りいただいているのですが。｣

｢ﾊﾞﾗﾊﾞﾗに入って探検してもつまらないから。｣

ハルトの上目遣いに女将さんが負ける。

｢絶対他言しないでくださいよ。｣

｢大丈夫、内緒ね。ありがとう、女将さん。｣

｢お口直しは山の実のゼリーになります。｣

黄緑のお皿に乗って出されたゼリーは淡い赤の中に何種類かの実が入っている。

｢何だか食べるのもったいない感じですね。｣

｢ルリ、これも時間かかっているよ。｣

｢時間がかかるとは？｣

女将さんに聞き直される。

｢実が偏らないように固めるの大変なんだろ？何回にも分けて固めるんだろ？｣

｢そうでもありませんよ。固まり始めたらかき混ぜて均等にちりばめたら一気に冷やすんです。｣

｢へえ…ルリ簡単らしいよ。家でもやってみよ？｣

｢お料理なさるんですか。仲が宜しいですね。｣

｢ああ、まだ作れるものは少ないけどね。｣