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***堕散る(おちる)***
第25章 step25 十九段目…卵
ワタシはハルトから用意されたバースデーケーキの話だけを、友達が用意してくれたとして話した。

「あら、じゃあ、後になっちゃったけど…」

母はわざと悔しそうに言い、冷蔵庫からケーキの箱を持ってきた。

いつもなら近所の美味しいケーキ屋さんに行って、それぞれ好みのケーキを選び、蝋燭はワタシのケーキに一本だけたてて祝うのだけど…

「あなたと選ぶ時間がないかもしれないと思ってね。
ちょっと遠出して小さいホールケーキを扱っているお店で買ってきたのよ。」

確かに、ラベルから銀座の店だとわかる。
わざわざ行ってくれたんだ。

「ありがとうお母さん。わぁっ素敵。」

ラムレーズンとベリーを使った少し大人向けのケーキだ。

細い蝋燭が18本用意されている。

「お母さんはね、18歳って少し大人の仲間入りって年だと思うの、
男の子も結婚出来る年だし、自分の進路を決める時期だしね。
お誕生日おめでとう、ルリ。」

嬉しいのも半分、また大人の仲間入りと言われ、母から巣立たなければならない寂しさも半分…

複雑な気持ちだった。

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