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***堕散る(おちる)***
第26章 step26 二十段目…孵化
ハルトは旅行から料理に目覚めたようで、鍋なら簡単にできると覚えたらしい。

「ぴよちゃんの為には外食ばかりしていられないからな。」

昼はカルボナーラ、夜は豆乳鍋、明日の夕飯はハンバーグと決まっていた。

でも卵を料理に使うのは抵抗ないらしい。

食材を片付けるとハルトに抱きあげられた。

「えっ…」

「最近ぴよちゃんばかりだったからな。」

言わないけどハルトはわかっていたんだ。

ベッドのヘッドボードには、保温器に入ったぴよちゃんが先客としていたけど、ワタシはベッドに下ろされた。

カーテンは開いたままで、空の中に浮いたような空間…

黒のシルクのシーツの上にいるワタシは、上着をガバッと脱いだ黒豹のようなハルトに組み敷かれた。

ハルトの瞳が光る。
無言の眼差しに動けなくなった。

捕えられた餌食のようなワタシを、どう食そうかと吟味しているハルトの瞳に、ワタシも熱くなっていく。

「怯えてるの?ルリ…」

どう答えたらよいかわからなくて、ハルトを見つめ返す。

っ…

「いや、煽ってるんだな…」

ハルトの声が低く唸るように響き、
じっと見つめられたまま、ブラウスのボタンを開けられる。
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