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***堕散る(おちる)***
第26章 step26 二十段目…孵化
「ハルト強く叩き過ぎたんじゃ?」

「あ?ぴよちゃんだから、割ったの。」

「じゃあもう出て来るんですね。」

コツコツと音が続く…

ハルトはてっぺんを避けて軽く叩く。
出てくるのをじっくり待つ母鶏のように…

ひびが広がっていく。

コツコツ…ポコッ…

てっぺんが割れ、黄色い嘴が少し見えた。

あっ…

「しぃ〜」

割れた周りをそっとハルトが叩くと、中からその辺を突ついてくる。

緊張してハルトの腕を掴むと、ハルトも手を重ねてくる。

てっぺんから殻がポロポロと落ちるが、ハルトは無理に覗きこまず、じっと見守っている。

500円玉ほどの穴が開くと、ピイピイと鳴き声がして、ズボッと頭が出てきた。

「ぴよちゃん、お誕生おめでとう。」

ハルトが声を掛けると頭がハルトを向く。

ピイ…

「もう少しだ。頑張れ。」

ぴよちゃんが伸びをして、殻を破りながら半分くらい体を出す。

手を使えないので助けてやりたくてハラハラしたが、
バランスが悪くなり卵が横に傾いた。

あぁっ…

巣から転げ落ちると思ったけど、その反動を上手く使って殻から出てきた。


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