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***堕散る(おちる)***
第26章 step26 二十段目…孵化
濡れた羽毛にやせっぽちの姿はかわいいとは言いがたいが、
コロッと飛び出てしまったという感じのぴよちゃんは、ピイピイと鳴いていた。

感動してハルトの腕を揺さぶると、ハルトはハッとしたように、両手でお皿を作り、巣の山の方に差し出す。

「ぴよちゃん、頑張ったね。おいで…」


ピイィ…

言葉が通じたわけではないと思うけど、ぴよちゃんはハルトをしっかりと見て、たどたどしい足つきで進んでくる。

手の温もりを感じたのか、そのまま手のひらに乗った。

ハルトがそぉっと卵を温めていた時のように手でぴよちゃんをくるみ、胸元にもっていく。

「ルリ、ぴよちゃんのご飯作ってくれる?」

もうハルトの喜んだ顔を見るだけで、ワタシも嬉しくなってしまった。

餌の袋と一緒にすり鉢になった餌箱と小さな擂り粉木が入っていて、それで餌を擂り潰す。

お湯でそれを溶いたものをハルトに渡す。

「ありがとう。ぴよちゃんご飯ができたよ。」

テーブルの上でハルトが手を開くと、羽毛が乾いてひよこらしくなったぴよちゃんが現れた。

「かわいい。」

「ちゃんとひよこになったな。」


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