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***堕散る(おちる)***
第26章 step26 二十段目…孵化
ハルト?…

珈琲は飲み終えたと思う。
そのくらいの間にハルトが寝てしまった。

もしかしたら、昨晩から寝ていなかったのかもしれない。

出来ればベッドで寝かせたいけど、起こせなかったし、ワタシもくるまれているから動けない。
温かいハルトの体温に包まれて、そうなるともう眠るしかないのだ。

ピイ…ピイ…

ん、ぴよちゃん…

ハルトもピクッと動いてほぼ同時に目覚めたと思う。

ん…もう腹減ったのか?ぴよちゃん…

気だるそうな声でハルトがぴよちゃんに声を掛けると、ピイピイと返事をするように忙しなく鳴き、保温器の壁を突つく。

ハルトが餌をすりつぶしお湯で溶く。
その間が待てそうもないぴよちゃんを保温器から出すと、手からすり抜けてテーブルを歩き、ハルトの手に寄って行った。

「おっ、ぴよちゃん歩けるようになったのか。」

ピイ…

さっきは気のせいだと思ったけど、ぴよちゃんは明らかにハルトの声に反応して返事している。

きちんとハルトの方を向いて鳴くのだ。

「凄いですね。完全にハルトになついてますよ。」

「そうか?ぴよちゃん…」

ピイ…

「ほら、ご飯だよ。」


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