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***堕散る(おちる)***
第26章 step26 二十段目…孵化
ハルトが餌箱をぴよちゃんに向けると、クルッと回り込んで、ハルトの手のひらに上り、また向きを変えて食べ始めた。

「なんだよ、ここが定位置になっちゃったのか…」

でもハルトは嬉しそうだった。

ハルトに言われて餌の入っていた袋を見ると、籠のような巣箱がある。

それに巣材を入れてぴよちゃんの寝床を用意した。
小さな水入れもあるので水を入れて餌箱の隣に置いてみた。

ぴよちゃんはハルトの方を見ている。

「お水だよ。飲んでいいんだよ。」

ピイ…

ぴよちゃんが水を飲み始めた。

「ぴよちゃん、ハルトの言葉通じてるみたいですね。」

「そりゃ通じるだろ、卵のうちから話しかけてるんだから…」

当たり前だと言うハルトがおかしかった。

まだ食べる量は少ない。

またコクコクし始める。

「あ〜お前…
ルリ、ティッシュ…」

「てか、お前、自分の糞の上に寝るなよ。」

ぴよちゃんがハルトの手にしてしまった糞を拭くと、ぴよちゃんを片手で掴みあげて巣箱に下ろす。

ピイィ…

ぴよちゃんが抗議の声をあげたように思えたが、
ハルトが優しく撫でてやると寝てしまった。
上から布を置きかえてそぅっと手を離すとよく寝ていた。
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