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***堕散る(おちる)***
第26章 step26 二十段目…孵化
「さて、今のうちに…」

ハルトが手を洗い、巣箱ごとぴよちゃんを持って寝室に行く。

「ルリも来るんだよ。」

慌ててついていくとベッドにぴよちゃんの巣箱が置かれていた。

「ルリも構ってやらなきゃだからな。」

「えっ、ワタシは…」

「そうか?ぴよちゃんのことうらめしそうに見てたぞ?」

「うらめしそうになんて…」

「じゃあ、羨ましそうに…」

チュッ…チュッ…

ハルトのキスが降ってくる。
もう言葉なんていらなかった。

ぴよちゃんを起こさないようにかどうかはわからないけど、最近優しく抱いてくれる。
それで十分満たされていた。


ピイ…ピイ…

裸のまま、繋がったまま、また寝てしまった。

「痛っ…なんだぴよちゃんか…」

ワタシの隣に巣箱は置かれていたのに、ぴよちゃんはグルッと回り込みハルトの頭を突ついたようだ。

「もう腹減ったのか?」

ピイィ…

「仕方ないな、ついて来れるか?」

ハルトがぴよちゃんをベッドから下ろして自分も起き上がると、一生懸命ハルトの足を追いかけていた。

ワタシは巣箱を持ってぴよちゃんの後を歩く。
ワタシには見向きもしないで懸命にハルトを追うのだ。


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