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***堕散る(おちる)***
第27章 step27 二十一段目…初夏
「ただいま〜」
「こんにちは。」
「ようこそお越しくださいまして…」
母がよそ行きのワンピースにエプロンを着けて玄関にくる。
朝は会社に行ったはずだけど、早退でもしたのだろうか…
母とも打ち合わせ不足だ。
母の視線がハルトの頭から爪先まで流れる。
そしてもう一度顔に戻り、ポッと赤くなった。
恥ずかしい…
母側にいって腕を引っ張りたい。
そう、ワタシのハルトとの出会いは最悪だったから、第一印象は怖い人、感じの悪い人だったけど…
普通に会えば、イケメン伊達眼鏡をしたカッコいい好青年なのだ。
「お母さん…」
「あ、あらやだ…どうぞ上がってください。」
しばらく固まったままの母を促して、ハルトに上がってもらう。
ハルトのマンションからしたら、あまりに普通の家だけど、台所に繋がるリビングに案内した。
母にぴよちゃんのことを説明してゲージを床に置かせてもらう。
ハルトがカバーを覗くと、ちょうど寝ているようだった。
「ま、まずは食事を済ませてからお話しでいいかしらね。」
「はい、ご馳走になります。」
ワタシは母の手伝いにまわり、ハルトには座っていてもらった。