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***堕散る(おちる)***
第29章 step29 二十三段目…再びの秋…実りのとき
無理に仲良くなろうとか、関わりを持とうとか考えなくてもいいんじゃないか、
お父さんとして迎えるとか身構えなくても…
お母さんと彼氏さんとハルトが、仕事の話をしている。
お母さんと彼氏さんは同じ方向を見ている。
だから、大丈夫…
そう思えた。
「ハルトくん、君は若くして起業して、力があるのだと思う。
若さゆえの強引さがうまくいってることも…
でも、忙しさにかまけて、大事なものを見落としちゃいけないよ。
一番に大事にしなければならないのはルリちゃんなんだからね。
ルリちゃんの人生を引き受けるんだから…」
母と同じようなことを言ってる。
ハルトが彼氏さんの目を見て、わかりましたと答えていた。
「ルリちゃん。」
「はい…」
「お母さんと一緒になっていいかな?」
「はい。」
こんな風に確認されるとは思わなかった。
どんな人か?
と思ったけど、母の彼氏さんを見る目を見て、幸せそうに見えた。
元々ワタシがどうこう言うことではない。
母だけしか見てないのではなく、ワタシやハルトまで見てくれる。
大丈夫…母は幸せになれる。ワタシは彼氏さんに顔を向けて返事した。