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***堕散る(おちる)***
第29章 step29 二十三段目…再びの秋…実りのとき
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「きゃぁあ、オーナーがご来店よ。」
重厚な扉を開けると、女のつんざくような高い声に迎えられた。
はぁっ…
ルリと会うまでは、このテンションの高さに何とも思わなかったが、
彼女達がいつもこうやって客を出迎えているのか、
客はこれでひいてしまわないのか、確認が必要だ。
「奥に…」
俺の腕に擦り寄ってきて、自慢の胸をギュウギュウと押し付けてくる女に、奥の個室を用意するように言った。
「後で私もお邪魔しますからね。」
言いながら、更に胸を押し付けてくるが、その強烈な色香に噎せそうで、顎で準備するよう合図した。
客に付いている女達は軽く腰を浮かせて会釈で留まるものの、ヘルプや空きの女達が持ち場を離れて寄ってくる。
キャアキャアと喚き、俺の体にベタベタと触れてきた。
「ルールはいつも通りだ。仕事に打ち込め。」
また、俺の席につこうとするのを遮って奥に進む。
俺を呼び出したアノ女が深紅のホルダーネックのドレスに身を包み、奥の部屋の入口で手招きしていた。
俺はルリの母と彼氏との会食の後に女と会う約束を入れた。