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***堕散る(おちる)***
第29章 step29 二十三段目…再びの秋…実りのとき
ワタシの知らないハルトがいると思ったら、怖くなって無意識に体が震えていたらしい。
「ルリ、俺が怖いか?」
「ううん…」
「だって震えているだろ…」
ハルトの指がワタシの髪を掬う。
サラサラと指を溢れ落ちる髪を見ていたら、そっとハルトの唇が重なってきた。
震えているのはハルトも同じだった。
「何かあったの?」
ハルトがビクッとした。
「いや、昨日は眠れなかった。だからルリが抱きたくなった。」
全然脈略のない話だけど、だからで欲しがられるのは嬉しかった。
言い終えてホッとしたようにキスされる。
ワタシの震えも止まっていた。
チュッ…チュッと確かめるように触れるキスや、口内を探り尽くすような口づけに、ワタシの体は溶けていく。
もうハルトが欲しくて堪らない、ワタシは脚を擦り合わせていた。
ハルトがワタシの胸を寄せて、触れ合う中心に合い印のように痕をつける。
「ワタシも着けたいです。」
ハルトがフッと笑いワタシを抱き起こし、壁を背もたれにしてワタシを引き寄せた。
胸の飾りの斜め上に、薔薇を刻む。何度も角度を変えてきつく吸い、真っ赤な薔薇を咲かせた。