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***堕散る(おちる)***
第30章 step30 二十四段目…入社式…1階

「ここだよ。」

ハルトの車で出社する。
美術館のような窓のない建物…
ここではないけど、前にも似たような建物に来た覚えがあった。

あれは…

「ようこそ、SXEへ…」

黒いスーツの男性に迎えられる。
エントランスは広くなく、通路の左右に沢山の扉が並んでいた。

ハルトについて歩いていく。

出迎えてくれた男性がワタシの後ろをついてきた。

「社長、役員の皆様、皆、お揃いです。」

「ああ、じゃあこのままホールにいき、すぐ始めよう。」

狭い通路から少し広い通路に出る。

「あ〜、譲(じょう)、何でも譲ると約束したのに、何もくれないじゃない。」

ひっ…

檻が3つ、人が入る大きな檻が並んでいて、その中の1人が格子をガチャガチャ鳴らしてハルトに叫んでいた。

「ハルト…」

「その娘が次の女なの?
私はどうなるの?何でも譲ると言ったのにぃ〜」

ハルトが立ち止まる。

「ああ、約束したよ。お前が俺の役に立つ女ならとね。
でも、凶暴すぎて店にも出せないじゃないか。」

「譲〜、譲〜っ、私に触れてぇ〜」

檻にいる女性は裸だった。
ハルトが檻の中に手を入れると、跪いてその手を掴む。


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