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***堕散る(おちる)***
第30章 step30 二十四段目…入社式…1階

「ハルト?」

どうみても正常に思えない女性はハルトを譲と呼ぶ。

「譲って誰ですか?」

「俺の名だよ。というか俺には名がない、名前すら忘れちまったんだよ、店で飼われてるうちに…

だから、会った女に適当に名乗っている。」

「じゃあ、ハルトも?」

「ああ、人を治める、治す、で治人(ハルト)、
ルリをみて思い付いた。」

「そんな…ハルト…じゃないの?」

「だから、ハルトどころか何でもない。名字どころか名前もわからないんだから、
でも、ルリはずっとハルトと呼んでいいよ。」

ハルトが前を向いて進んでいく。

いや、ハルトじゃない。

次の檻の中の女性は、ずっと玩具で遊んで喘いでいた。

私たちが通るのも気付かないようで、胸やアソコに玩具をあてていた。

「ハルト…この人たちは?」

もう1つの檻には、シーツにくるまって、目だけ出して怯えている女性。

私たちが通ると奥の方に下がり檻を握り締めて震えていた。

「ん、ルリの先輩にあたる女達、仕事が上手くいかなくて壊れちゃったんだよね。」

「壊れるって…」

「これじゃあ、外にも出せないでしょ?だからここで面倒みている。」


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