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***堕散る(おちる)***
第30章 step30 二十四段目…入社式…1階
「さあ、詳しいことは追って説明があるから、まずは式に出よう。」
ハルトはいつも通りだ。
でも何かおかしい。
それでも言われるままにホールについていった。
元々名前がわからない。
店で飼われていた話を聞いているから、納得は出来るけど、ずっとハルトだと思っていたのに、それが適当に付けたものだというのはショックだった。
ハルトは私を席に着かせると、ステージのような一段高いところに上がる。
体育館の半分くらいの大きさのホールだった。
椅子が用意されているのはワタシの分、1つだけ…
ステージの真ん前にポツリと置かれていた。
先程からついてきた男性がステージに昇り、ハルトがステージ上の椅子に座っていた。
ステージの後ろにはカーテンが引かれていた。
「では、今年度の入社式を始めます。」
昇った男性が司会のようだ。
「昨年度の新規店舗開店数20、従業員増加数100、今年度新規採用正社員1名」
1名…ワタシだけ…
「では代表取締役社長、X様、ご挨拶をお願いします。」
X…ハルトが立ち上がる。
名前がわからないからX…
そして、後ろのカーテンが開かれた。