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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事

「あ、ありがとうございます。」

スノーとチョコレートは競争しているのか、スノーが先を行くとチョコレートが追い抜く。そしてまたスノーが追い上げるを繰り返す。

二人も乗せているのに負けずに走るチョコレートは凄い。

王様は2頭の競争を笑いながら、しっかりワタシを支えてくれた。

そして、ワタシはお尻に感じる王様のモノを意識しながらも、平静を装っていた。

「楽しいか?」

「はい。」

「1人で乗れるようになったから、バランスの取り方がわかってきただろう。」

「はい。」

「じゃあ、飛ぶぞ。」

「はい。」

「チョコレート、戻るぞ。スノーも着いてこい。」

ピシッと強めに鞭打つと、チョコレートは更にスピードを上げていく。
もう怖くはなかった。

地面を離れる浮遊感も、柵を乗り越える感覚も気持ち良かった。

「ドウ…ドウ…」

「また風に成れました。」

ワタシが振り向いて王様に言うと、王様は口ごもっていた。

「それは、良かったな。」

少し間があって返事が来た。

チョコレートのペースダウンをしながら、小さい馬場をくるくる回る。

とても楽しかった。

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