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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事

生ハムやキャビア、サーモンなどもあり、贅沢過ぎるとも思ったけど、王様の隠れた楽しみだと思って使っていく。

しばらくして王様はワインのセレクトにやって来た。

「サーモンもあるから今日は辛口の白にしよう。」

王様はやはり、オードブルを見て、ワインを選ぶのを楽しんでいるようだった。

「「乾杯。」」

グラスの奏でる音に気分も晴れやかになる。

「君が未成年でなければよいのに…」

また、ハルトと同じ事を言った。

王様は食材やワインに纏わる想い出話を始めたけれど、頷くばかりで自分の話せる話はなかった。

「ご馳走さま、今日も背中を流してもらいたいんだが、」

「はい、わかりました。」

裾を結んで王様のあとをついていく。

また、前を洗い終えたスポンジを手渡される。

うなじから腕、肩、背中と洗う頃には、王様の手は下の方に降りていた。

また、背中を洗う動きに合わせて、中心を握り上下に擦り始める。

ワタシもまた、鏡に映るソレと王様の視線とを見ながら背中を擦っていた。

泡に包まれたソレが擦りあげられて垣間見える。

欲しい…

その思いに駈られるのだ。

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